ネピリム工房

3DCGアーティスト/作品や進捗の公開などを記載しています。

妥協から生まれるもの

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-外仕事は尿意との戦い-

どうも、てるです。

いきなりですが、現在自分はポスティングのバイトをしています。

どのような仕事かというと、毎朝7:15から自転車で1時間かけて事務所まで向かい

そこから3,4人のチームを編成してチラシの置かれてある倉庫へと向かい、数チームが集まるとそこで朝礼をして、各々が車に乗り1時間ほどかけて現地へ向かうというものです。

それが何だと思われるでしょうが、ずばり車での移動がとても長いんです。

そして最近は5℃以下を下回る日も多く、こうも寒いとトイレにいく回数が増えるばかりです。

この「寒さ+乗り物揺れ」のコンボが膀胱にとてもよろしくなく、

現地にたどり着いた瞬間ものすごい尿意に駆られることも度々です…。

まだコンビニで配布を開始するのであればすぐさま用を足せるのですが

一戸建てが並ぶ住宅街で始まったとあれば、色んな意味で絶望します。

家を出る前に用を足し、現地へ出発する前に用を足してと午前中だけで2,3回もトイレに行けども、どうしても最初の配布では催してしまうんですよね…

どうにかならんですかねこういうのって、…むろん紙おむつは論外で

お仕事の話はネタになるんでまた小分けしながら話そうと思います。

 

続きからは「ウェイト塗り」とそれに関する持論を軽くまとめています。

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-妥協から生まれるもの-

突然ですが、モデリングをされる方はやっぱし最初は人間のモデルから作られますか?

自分も最初からゲームに使われるようなハイポリの高身長モデルを想定して

駆け出した者の一人ですが…、正直言ってしょっぱなからあのレベルを作るのはいくらなんでも高跳びしすぎでした。

単純にポリゴンを組み立てるのも難しいのですが、中でも軍を抜いて難しいのが

「ウェイト塗り」という拷問めいた工程が存在するのです。

 

どういうものかというと、色の濃淡で間接の動く度合いを塗っていくというものなのですが、これがまた“デフォルトの機能”のままだとハゲ散らかすほど上手くいかない!

特に腹部や腕の関節のような部分ならまだしも、肩や股関節は泣けるほど難しいです…

人生最初のモデリングから四苦八苦しながらもなんとかこの工程にたどり着いた自分は、この工程を目の前にして「あ、無理だ。」とサッパリと挫折しました

全ての意欲がこの工程を前にへし折れました。

 

ただ、それだからモデリングはすんごく難しいんだよというと、別にそんな事はありません。上で述べたように、それは力量に見合わないハイレベルなモデルへ

無謀にも挑んでしまったからです。要は段階を刻んでレベルを上げろって話ですね

 

そう 最初は簡単なモデルからでいいんです。

 

最初の挫折から試行錯誤してからというものの、どうやったらスキルを伸ばせれるかよりも、どうやったら今のスキルで作れそうかを考えるようになりましたね。正直なところ、自分自身も別に間接が繋がっていなきゃいけないとか足の可動域はこれくらいなきゃいけないとかそういうこだわりはまるで無いし、なんなら脚自体、別に左右で分かれてる必要もないんじゃね?と

 

そんなこんなといろいろ考え妥協と合理性を追求してこのようなフォルムに辿り着きました。

 

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まぁ、一言で言えば「こけし」ですね、自分でも笑っちゃいます。ですが、それだったらこのモデルはダメなのかというと無論そんな風には思っていませんとも、これも愛を注いで創った立派な作品です。もちろんこんな体型ですが首や脚、腕や腰もちゃんと曲がりますよ。

 

さて、「ウェイト」について軽くお話しますが、まずこちらのモデル

二体並んでるのはとある比較のためです

作りたての時は右の仕上がりで、腰回りをよく見るとわずかに凹凸が見えるのですが、これ、実は上半身と下半身とで別々に別れているんです。もっと言ってしまえば首と胴体、頭と髪も別々のパーツです。

さて、上で述べたようにウェイト塗りというのはその濃淡で塗り分けるのがとても難しいのですが、それはあくまで「ワンスキン」という体全体がひとつのメッシュで出来ているものに限ります。

つまり、ワンスキンでは難しいウェイト塗りでも、体を分離させることでウェイトに緩急を付ける必要がなくなり、部分ごとにウェイトをベタッと一色で塗るだけでさながら機械のように完全に別々に駆動させることも出来るんです。

こうすることで苦痛だったウェイト塗りが驚くほど早く済んでしまうんだからスゴいです。ただ、所詮は妥協案なので本来再現したかった、体を滑らかに捻るような表現は不可能ですね。

そこで、肩や足は無理でもせめて腰だけでも捻れを再現したいと思って再調整したものが左のモデルになります。腰回りの凹凸がさらに滑らかになっているのが分かるでしょうか、胴体部分をワンスキンで作っているのでより違和感のない仕上がりになり、腰が美しいカーブを描いています。

 

ただ、強調して言うようですが、左のモデルはあくまで余力があったから再調整して仕上げたものですが、自分は今でも右の作り方を愛用しています。そりゃもう楽ですからね。

 

-急がば回れの精神で-

まぁ、ウェイトの話も踏まえて何が言いたいかというと

モデリングをこれからされる方はスキルを伸ばすことももちろん大事ですが

ときには理想を現在の技量、スキルのレベルへ妥協する考え方も持っておくと

より臨機応変かつ、無駄な徒労のない創作を楽しめると思うんです。

 

でも理想を諦めてレベルダウンしたモデルで満足してんじゃダメじゃね-かと考える人ももちろんいるでしょうが、逆に考えてみてください。

あなたの目指す理想は本当にそんなハイレベルなものでなきゃいけないのかと?

将来的にはそこにたどり着ければいいけれど、

それってすぐにでも叶えなきゃいけない夢なの?

 

満足の水準は人によりけりですが、少なくとも自分はこれで満足です、

というよりこれですらコスパ的に考えれば割に合わないとすら考えています。

実際、髪作るのもけっこう大変ですしね。

 

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考え方の話ですが、レベル10のモデルを作るのに1年を費やすよりも、レベル2のモデルを1年で5体作ったほうが各モデルを様々なシーンで使い回せて幅も広がることでしょう、将来的に自分はそういった創作展開を想定しています。

 

お役に立てるかわからない持論の寄せ集めですが、誰かのヒントになり得ることができれば幸いです。それでは、よきモデリングライフを!